HEALTH WORDS / 用語解説
EPH
EPH
EPHとは、主に胎盤機能や血管の調節に関与するホルモン様物質であるエピネフリン、プロスタグランジン、あるいは高血圧、蛋白尿、浮腫を主徴とする妊娠高血圧症候群のかつての呼称であるEPH妊娠中毒症に関連して用いられることがある略語である。1
医学および産婦人科学の領域において、EPHは長年にわたり妊娠期特有の病態を示す臨床的な指標として広く認識されてきた。2
かつて妊娠中毒症(Toxemia of pregnancy)と呼ばれていた疾患群は、その代表的な症状である浮腫(Edema)、蛋白尿(Proteinuria)、高血圧(Hypertension)の英語の頭文字を取ってEPHと総称されていた。3
この分類法は、妊娠に伴う母体の生体反応や代謝異常を包括的に捉える上で重要な役割を果たしてきたが、その後の病態生理学的な研究の進展に伴い、診断基準や疾患概念の見直しが行われるようになった。1
現在では、妊娠高血圧症候群(HDP: Hypertensive Disorders of Pregnancy)という名称への移行が進んでおり、EPHという表現は歴史的あるいは補助的な文脈で使用されることが多くなっている。3
しかしながら、臨床現場や過去の医学文献においては、浮腫、蛋白尿、高血圧の三徴候が同時に発現するメカニズムを理解するための基礎知識として、EPHという概念の理解は依然として重要性を持っている。2