HEALTH WORDS / 用語解説
NY-ESO-1
NY-ESO-1
NY-ESO-1とは、主としてがん精巣抗原ファミリーに属する代表的な腫瘍関連抗原の一つであり、様々な悪性腫瘍において発現することが知られているタンパク質である1。
この抗原は正常組織においては精巣や胎盤などの生殖系組織を除いてほとんど発現が見られない一方で、悪性黒色腫、肺がん、食道がん、膀胱がん、滑膜肉腫をはじめとする多くのがん細胞において特異的に高い発現を示すという特徴を持っている1。
このような正常組織での発現が極めて限定的であるという特異性から、NY-ESO-1はがん免疫療法、特にT細胞受容体(TCR)遺伝子導入T細胞療法やペプチドワクチン療法などの標的として非常に有望な分子の一つとして位置づけられている2。
ヒトの免疫系において、NY-ESO-1は強い免疫原性を持つことが確認されており、患者の体内において自然に抗体産生や細胞傷害性T細胞の誘導を引き起こすことが臨床研究などによって示されてきた2。
そのため、このタンパク質を標的とした免疫療法の開発は、難治性の肉腫や固形がんに対する新しい治療法として国内外で活発に研究および臨床試験が進められており、がん治療分野における重要なバイオマーカーおよび治療標的としての期待が寄せられている1。
参考文献・出典
- 国立がん研究センター 希少がんセンター: https://www.ncc.go.jp/jp/rcc/about/sarcoma/index.html ↩1 ↩2 ↩3
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構: https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/ ↩1 ↩2