HEALTH WORDS / 用語解説
O-結合型グリコシル化
O-linked glycosylation
O-結合型グリコシル化とは、タンパク質のアミノ酸残基であるセリンあるいはスレオニンの水酸基(ヒドロキシ基)の酸素原子に対して、糖鎖が共有結合的に付加される翻訳後修飾の一種である。1 2
真核生物において、O-結合型グリコシル化は主に小胞体やゴルジ体などの細胞内小器官の内部で進行する。2 この反応は酵素であるグリコシルトランスフェラーゼ(糖転移酵素)によって触媒され、多様な糖供与体から糖が標的タンパク質へと順次転移されることで複雑な糖鎖構造が形成される。1
N-結合型グリコシル化がタンパク質中のアスパラギン残基のアミド基の窒素原子に糖鎖が結合するのに対し、O-結合型グリコシル化はセリンやスレオニンの水酸基を結合部位とする点が構造上の大きな特徴である。1 また、チロシンやヒドロキシリジン、ヒドロキシプロリンなどの水酸基を持つ他のアミノ酸が結合部位となる例も報告されている。1
O-結合型グリコシル化の代表的なものとして、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)が最初に結合するMucin型O-glycan(ムチン型O-結合型糖鎖)が広く知られており、その他にもグルコースやマンノース、フコース、キシロースなど様々な単糖を起点とする多様な糖鎖修飾が存在する。2 特に細胞質や核に存在するタンパク質には、一分子のN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)が動的に結合・脱離するO-GlcNAc修飾が見られ、シグナル伝達や転写調節などの重要な細胞内機能の制御に関与している。2
このようにして付加されたO-結合型糖鎖は、タンパク質の立体構造の安定化や、細胞表面における分子認識、細胞接着、さらには生体防御機構や免疫応答において極めて重要な役割を果たしている。1 2