HEALTH WORDS / 用語解説
VAMP-2
Vesicle-associated membrane protein 2
VAMP-2は、小胞SNARE(v-SNARE)またはシナプトブレビン-2(Synaptobrevin-2)とも呼ばれる分子量約18 kDaの膜タンパク質であり、神経細胞をはじめとする多様な分泌細胞に広く発現している。1
神経終末において、VAMP-2はシナプス小胞の細胞膜(プレシナプス細胞膜)へのドッキングおよび融合を仲介する。1
この膜融合のプロセスは、VAMP-2が標的膜側に存在するシタックスイン(Syntaxin)およびSNAP-25といった他のSNAREタンパク質と相互作用し、極めて強固なSNARE複合体(4本鎖コイルドコイル構造)を形成することによって駆動される。2
SNARE複合体の形成に伴う自由エネルギーの解放が、小胞膜と細胞膜の二重層を強制的に接近・融合させ、シナプス小胞内の神経伝達物質をシナプス間隙へと放出させる原動力となる。1
VAMP-2の構造は、細胞質側に露出してSNARE複合体の形成に関与するN末端側のSNAREドメインと、シナプス小胞の膜を貫通するC末端側の膜貫通ドメインから成り立っている。1
この分子は、ボツリヌス毒素(特にB、D、F、G型)や破傷風毒素といった神経毒の特異的な切断標的としてもよく知られており、これらの毒素によってVAMP-2がタンパク質分解を受けると、SNARE複合体の形成が阻害されて神経伝達が完全に遮断される結果、神経麻痺を引き起こす。1
また、VAMP-2は神経伝達だけでなく、インスリン刺激による脂肪細胞や骨格筋におけるGLUT4(グルコーストランスポーター4)の細胞膜への移行など、様々な小胞輸送系および開口分泌メカニズムにも深く関与していることが明らかにされている。1
参考文献・出典
- Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/VAMP2 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6
- 蛋白質構造データバンク: https://pdbj.org/mine/summary/1sfc ↩