HEALTH WORDS / 用語解説
ⅩⅧ型コラーゲン
Type XVIII collagen
ⅩⅧ型コラーゲンとは、基底膜の血管側などに広く分布し、そのC末端側ペプチドがエンドスタチンへと切断されることで血管新生の阻害作用を発揮するマルチドメイン型の非線維性コラーゲンである。1
ヒトにおいてⅩⅧ型コラーゲンは、遺伝子記号COL18A1によってコードされている細胞外マトリックス成分である。基底膜領域の主要な構成タンパク質の一つであり、特に血管や上皮組織の基底膜と間質の境界部に局在している。構造的にはトリプルヘリックス(三重らせん)ドメインとともに、多数の非コラーゲン性ドメインを有しており、プロテオグリカンとしての性質を示すアイソフォームも存在する。2
ⅩⅧ型コラーゲンの最も重要な生理学的機能の一つは、そのC末端領域に含まれるエンドスタチンという生理活性ペプチドの供給源としての役割である。エンドスタチンは、タンパク質分解酵素による限定分解によってⅩⅧ型コラーゲンから遊離し、内皮細胞の増殖や遊走を強く抑制することで血管新生阻害物質として機能する。このメカニズムは、腫瘍の成長や転移に伴う新しい血管の形成を抑える上で極めて重要な制御機構となっている。1
また、生物学的な臨床的意義として、COL18A1遺伝子の変異は人間の眼疾患である[[ヌーシ・ハルニ症候群(Knobloch syndrome)]]の原因となることが知られている。この疾患は、高度な近視、網膜剥離、黄斑の異常などの眼球の形態異常を特徴としており、基底膜の構造維持や神経・血管の発達におけるⅩⅧ型コラーゲンの不可欠な役割を裏付けている。発生段階においても、目や脳などの組織形成において細胞と細胞外マトリックスの相互作用を仲介している。2
参考文献・出典
- J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200907020815779038 ↩1 ↩2
- RefEx: Reference Expression Dataset: https://refex.dbcls.jp/gene.php?gene=80781&tax_id=9606 ↩1 ↩2