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HEALTH WORDS / 用語解説

生理活性ペプチド

Bioactive Peptide

生理活性ペプチドとは、生体内において微量で特異的な生体防御や生理機能の調節、情報伝達などの多様な作用を示すアミノ酸が数個から数十個結合したペプチドの総称である。1 一般的に、数十個以上のアミノ酸が結合したものはタンパク質と呼ばれるが、その境界は厳密ではなく、生体内での機能や受容体との結合を介した作用メカニズムに基づいて生理活性ペプチドとして扱われることが多い。2

生理活性ペプチドは、神経系、内分泌系、免疫系など、生体のあらゆるシステムにおいて重要な役割を担っている。3 これらは特定の前駆体タンパク質がプロテアーゼなどの酵素によって限定分解されることで生成され、細胞外へ分泌されたのちに標的細胞の受容体と結合してシグナルを伝達する。1 その作用は非常に多彩であり、ホルモン、神経伝達物質、サイトカイン、増殖因子などとして機能し、個体の恒常性(ホメオスタシス)の維持に寄与している。2

神経系において働く生理活性ペプチドは神経ペプチドとも称され、痛覚の伝達や調節、食欲や睡眠などの生体リズムの制御に関与している。3 また、内分泌領域においては、下垂体ホルモンや視床下部ホルモンのように、他の内分泌腺からのホルモン分泌を促進あるいは抑制するマスターレギュレーターとして働くものも数多く存在する。2 さらに、血管の収縮や拡張を調整して血圧をコントロールする系や、消化管の運動および消化液の分泌を調節する消化管ホルモンなども生理活性ペプチドの重要な一例である。1

近年の分子生物学や生化学の進歩に伴い、生体内での生理作用だけでなく、食品由来のタンパク質を酵素分解することによって得られる機能性ペプチドの研究も盛んに行われている。1 これらの中には、血圧低下作用、抗酸化作用、免疫調節作用などを示すものが確認されており、特定保健用食品や機能性表示食品の関与成分としても応用されている。3 しかし、多くのペプチドは生体内においてペプチダーゼなどの分解酵素によって速やかに代謝されるため、医薬品として利用する際には安定性の向上や薬物動態の改善を目的とした構造修飾やD-アミノ酸の導入などの化学的修飾技術が必要とされる場合が多い。2

参考文献・出典

  1. 独立行政法人製品評価技術基盤機構: https://www.nite.go.jp/data/000055444.pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
  2. 文部科学省: https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutsu/gijyutsu3/toushin/05121302/002.htm ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
  3. 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000077713.pdf ↩1 ↩2 ↩3