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HEALTH WORDS / 用語解説

しわがれ声

Hoarseness

しわがれ声とは、音声の質の異常であり、声帯の振動障害や閉鎖不全などによって声が掠れたり、低く濁ったりする状態を指す一般的な症状である。1 医学的には嗄声とも呼ばれ、日常会話における音声の伝達に支障をきたすことがある。2

しわがれ声を引き起こす原因は多岐にわたり、その多くは喉頭の病変に起因する。1 最も頻度の高い原因の一つとして、風邪やインフルエンザなどのウイルス感染症に伴う急性喉頭炎が挙げられる。3 この状態では、声帯の粘膜が炎症を起こして腫脹するため、正常な振動が妨げられて嗄声が生じる。1 また、過度な発声や大声の出しすぎによる声帯の酷使も、声帯結節や声帯ポリープを形成する原因となり、慢性的なしわがれ声を引き起こす。4

さらに、解剖学的あるいは腫瘍性の病変も重要な原因となる。声帯に生じる良性腫瘍である声帯ポリープや乳頭腫のほか、喫煙や飲酒などの生活習慣が大きな危険因子となる喉頭がんなどの悪性腫瘍によっても、持続性のしわがれ声が現れる。5 喉頭がんの場合、初期段階から嗄声が症状として現れやすいため、長期間改善しないしわがれ声は、耳鼻咽喉科における精密検査の重要な適応となる。5

神経学的要因による声帯麻痺も、しわがれ声の主要な原因の一つである。迷走神経や反回神経が、甲状腺がんや肺がんなどの腫瘍による圧迫や、手術時の損傷などによって麻痺すると、声帯の動きが制限されて声門が十分に閉じなくなる。1 これにより呼気が漏れ、息の抜けたような特徴的なしわがれ声が生じることになる。1

しわがれ声の診断にあたっては、詳細な問診と身体診察が行われる。1 特に喉頭鏡検査やファイバースコープを用いた内視鏡検査により、声帯の粘膜の状態、腫瘤の有無、および声帯の運動性を直接視覚的に確認することが不可欠である。1 治療法は原因疾患によって異なり、炎症性疾患に対しては安静や消炎鎮痛薬の投与、音声治療が行われる一方、腫瘍や麻痺に対しては外科的治療やリハビリテーションが選択される。1

参考文献・出典

  1. MSDマニュアル プロフェッショナル版: https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/耳鼻咽喉科疾患/声の障害/声の障害の評価 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8
  2. 慶應義塾大学医学部 科学技術振興機構: https://mol.jst.go.jp/index.html ↩
  3. 国立成育医療研究センター: https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/children/000492.html ↩
  4. 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/teeth/yk-061.html ↩
  5. 国立がん研究センター: https://ganjoho.jp/public/cancer/larynx/index.html ↩1 ↩2