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HEALTH WORDS / 用語解説

アクアポリン1

Aquaporin-1

アクアポリン1とは、生物の細胞膜上に存在する膜タンパク質の一種であり、主として水分子を効率的かつ選択的に透過させる水チャネルとして機能するタンパク質である。1 1992年にピーター・アグレらによって赤血球膜から発見され、水の輸送に関する生体膜の仕組みを解明する契機となった。2

アクアポリンファミリーは哺乳類をはじめとする多くの生物に存在しており、アクアポリン1はその中で最初に同定された分子(CHIP28とも称される)である。2 ヒトにおいては、アクアポリン1をコードする遺伝子は染色体上に位置しており、様々な組織や臓器において発現している。3

構造的な特徴として、アクアポリン1は4つのサブユニット(四量体)を形成して細胞膜に埋め込まれている。1 各サブユニットがそれぞれ独立した水を通すための小孔を有しており、プロトン(水素イオン)などの他の荷電粒子の透過を厳密に遮断しながら、水分子のみを高速で通過させることができる。2

体内における主な局在部位としては、腎臓の近位尿細管やヘンレループの下降脚が挙げられ、ここでは原尿からの水の再吸収において極めて重要な役割を果たしている。3 また、赤血球の細胞膜にも豊富に存在しており、血液が毛細血管などを通過する際の浸透圧調整や形状維持に関与しているほか、毛細血管の内皮細胞にも広く分布している。2

さらに、アクアポリン1は眼の角膜、水晶体、毛様体などの組織や、脳脊髄液を産生する脈絡叢、さらには肺の胸膜や脂肪組織などにも発現が確認されている。3 眼の内部では房水の産生や循環に関与しており、眼圧の維持にも影響を与えている。2

近年の医学および薬理学の研究においては、アクアポリン1の機能異常や発現量の変化が、様々な疾患の病態形成に関与していることが示唆されている。3 例えば、腎臓における水の濃縮力の低下や、脳浮腫、緑内障などの病態との関連性が研究されており、アクアポリン1を標的とした新規の医薬品開発や治療法の探索が進められている。2

参考文献・出典

  1. 蛋白質構造データバンク: https://pdbj.org/mine/summary/1j4n ↩1 ↩2
  2. Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%A2%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%83%B3 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6
  3. アメリカ国立医学図書館: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/358 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4