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HEALTH WORDS / 用語解説

カプシドタンパク質

Capsid protein

カプシドタンパク質とは、ウイルスのゲノム(核酸)を包み込んで保護するタンパク質性の外殻であるカプシドを構成する構造タンパク質の総称である。1

ウイルス粒子(ビリオン)の基本構造において、カプシドは内部のDNAまたはRNAといった遺伝情報を物理的あるいは化学的な損傷から守る極めて重要な役割を担っている。2

多くの場合、単一のアミノ酸配列を持つ同一のカプシドタンパク質分子(サブユニット)が多数集まり、非共有結合的な自己組織化のプロセスを経て幾何学的な対称性を持つ安定した殻を形成する。3

この立体構造の対称性には主に正二十面体構造とらせん構造があり、一部の複雑なウイルスでは頭部と尾部を持つような複合的な構造をとるものも存在する。2

カプシドタンパク質は単にゲノムを保護する受動的な容器としての機能にとどまらず、宿主細胞への感染初期段階において標的細胞の細胞膜や受容体を認識して結合し、ウイルスのゲノムを細胞質内へと効率よく送り込むための能動的な役割も果たしている。1

また、ウイルスの増殖サイクルにおいては、複製されたゲノムを識別して取り込み、正確にカプシドを形成するパッケージングの過程でも中心的かつ特異的な働きを示す。3

その構造の安定性と宿主認識における高い特異性から、カプシドタンパク質はワクチンの開発や、特定の細胞へ遺伝子を導入するためのウイルスベクターの設計において極めて重要な標的分子となっている。2

参考文献・出典

  1. J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201002016599616016 ↩1 ↩2
  2. 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000601693.pdf ↩1 ↩2 ↩3
  3. J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201107028121650334 ↩1 ↩2