ホームクロマトグラム

HEALTH WORDS / 用語解説

クロマトグラム

Chromatogram

クロマトグラムとは、混合物を成分ごとに分離・分析するクロマトグラフィーにおいて、検出器から得られた信号を時間の経過とともに記録したグラフのことである。1 横軸には保持時間(試料が注入されてから検出されるまでの時間)または溶出体積がとられ、縦軸には検出器の応答信号の強さ(成分の濃度や質量などに対応する値)がプロットされる。2

クロマトグラフィーの過程において、移動相とともにカラム(分離管)を通過した各成分は、固定相との相互作用の違いによって異なる速度で移動する。 これにより、混合物中の各成分は時間的・空間的に分離されて順番に検出器へと到達するため、クロマトグラム上には山なりの曲線(ピーク)として順次記録されることになる。2

クロマトグラム上に現れる個々のピークは、それぞれが特定の成分(化学物質や生体分子など)に由来しており、定性分析および定量分析の重要な根拠となる。 定性分析においては、標準物質を同一の条件で測定した際の保持時間と比較することで、未知物質の同定を行う。2 また定量分析においては、ピークの面積や高さが成分の量(濃度)に比例する性質を利用し、あらかじめ作成した検量線を用いて対象成分の含有量を算出し評価する。1

医学や生物学の分野において、クロマトグラムは血液、尿、髄液などの生体試料中に含まれる代謝物、アミノ酸、タンパク質、核酸、医薬品やその代謝物などの多成分を同時に分離・測定するために広く活用されている。3 例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)やガスクロマトグラフィー(GC)、あるいはそれらに質量分析計(MS)を結合したシステムなどで得られるクロマトグラムは、疾病の診断、薬物動態学的解析、ゲノム科学やプロテオミクスにおける網羅的解析(メタボロミクスなど)において不可欠なデータを提供している。3

良好なクロマトグラムを得るためには、カラムの選定、移動相の組成や流速の最適化、温度管理などの分析条件を適切に設定することが極めて重要である。 条件が不適切な場合、ピーク同士が重なり合う分離不全や、ピークが不自然に広がったり尾引き(テーリング)を生じたりして、正確な解析が困難になることがあるため、クロマトグラムの形状を詳細に評価して分離度を確認する必要がある。2

参考文献・出典

  1. e-Gov法令検索: https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000040039 ↩1 ↩2
  2. J-STAGE: https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunsekikagaku/51/12/51_12_1143/_pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
  3. J-STAGE: https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/49/8/49_764/_pdf ↩1 ↩2