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HEALTH WORDS / 用語解説

コクシジオイデス・イミチス

Coccidioides immitis

コクシジオイデス・イミチスとは、主としてアメリカ合衆国南西部やメキシコなどの乾燥地帯に生息し、ヒトにコクシジオイデス症を引き起こす二形性真菌の一種である。1

本菌は土壌中に菌糸として存在し、乾燥した環境下で分生子(関節分生子)を形成する。1

風などによって空気中に舞い上がった分生子を宿主が吸入することで感染が成立するため、呼吸器系からの感染が主要な経路となる。1

吸入された分生子は、宿主体内の体温環境下で球状のスフェルールへと変化する。1

スフェルールの内部では多数のエンドスポア(内生胞子)が作られ、やがてスフェルールが破裂することでエンドスポアが周囲の組織へと放たれ、感染が拡大する特性を持つ。1

コクシジオイデス症の臨床像としては、無症状で経過するものから、発熱、咳嗽、胸痛などを伴う急性の呼吸器感染症(いわゆるサンホアキン渓谷熱)まで様々である。1

大半の感染例は自然に治癒または軽快するが、一部の患者では病原体が肺にとどまらず、皮膚、骨、関節、中枢神経系など全身の臓器へと播種し、慢性的で重篤な播種性コクシジオイデス症へと進展する場合がある。1

特に免疫不全状態にある者や妊婦、特定の人種などは重症化するリスクが高いことが知られている。2

実験室内における培養や取り扱いの際には、その強い感染力と空中飛散性ゆえにラボ感染の危険性が極めて高い病原体に分類されている。1

そのため、菌株の分離や同定を行う作業従事者の安全を確保するため、厳重な封じ込め施設や適切なバイオセーフティ対策を講じた上で検査を実施する必要がある。1

日本国内においては風土病としての常在地ではないものの、流行地域への渡航歴がある旅行者や帰国者からの診断例が報告されることがあり、輸入感染症の一つとして注意が払われている。1

参考文献・出典

  1. 国立感染症研究所: https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/411-coccidioides-intro.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10
  2. 厚生労働省検疫所: https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2011/06161329.html ↩