HEALTH WORDS / 用語解説
シュワルツ・ヤンペル症候群
Schwartz-Jampel syndrome
シュワルツ・ヤンペル症候群とは、筋強直状態と骨格異形成を特徴とする極めて稀な遺伝性疾患である。1
本疾患は、常染色体劣性遺伝形式をとる遺伝子疾患であり、ペルカカン(perlecan)遺伝子(HSPG2 遺伝子)の変異が原因であることが明らかにされている。1
臨床的な主な特徴としては、持続的な筋収縮によって筋肉が弛緩しにくくなる筋強直(myotonia)が挙げられる。1
この筋強直により、独特の面貌(尖ったあご、狭い顔面、眼瞼裂狭小など)や、関節拘縮、低身長などの骨格異常を合併することが知られている。1
また、骨の発育異常に起因する脊柱側弯症や股関節脱臼などが生じることもあり、運動機能や歩行に影響を及ぼす場合がある。1
症状の現れ方やその重症度には個人差があり、乳児期から症状が目立つ型から、児童期以降に診断される軽度な型まで多様な臨床像が報告されている。1
診断においては、特徴的な身体的特徴やX線検査による骨格異形成の評価に加え、筋電図検査で筋強直性放電を確認することが重要となる。1
確定診断には遺伝子検査によるHSPG2 遺伝子の変異確認が有用である。1
現在のところ、本疾患に対する根本的な治療薬や根治的治療法は確立されておらず、治療は対症療法が中心となる。1
筋強直や筋肉のこわばりに対しては筋弛緩薬などが用いられることがあり、関節拘縮や骨格変形を防ぐために理学療法やリハビリテーション、必要に応じて整形外科的な手術が行われる。1
小児期からの継続的な医療ケアと、多職種による総合的な支援が患者の生活の質(QOL)の維持・向上において極めて重要である。1
なお、本疾患は厚生労働省が定める指定難病の対象となっており、医療費助成制度などの支援基盤が整備されている。1
国内における患者数は非常に少なく、指定難病としての受給者証保持者数も限られた数であるため、医学界や研究者の間で継続的な病態解明や臨床情報の収集が進められている。2