HEALTH WORDS / 用語解説
ペルレカン
Perlecan
ペルレカンとは、主として基底膜に存在する巨大なプロテオグリカンであり、ヘパラン硫酸プロテオグリカンの一種である。1
ペルレカンはHSPG2遺伝子によってコードされており、コアタンパク質に複数のヘパラン硫酸鎖が結合した構造を持っている。2
その分子量は非常に大きく、血管の基底膜や軟骨、糸球体などの細胞外マトリックスに広く分布している。1
細胞外マトリックスの主要な構成成分として、組織の構造的完全性を維持するだけでなく、増殖因子やサイトカインなどの生理活性物質を結合・貯蔵する役割を担っている。3
これにより、線維芽細胞増殖因子(FGF)などのシグナル伝達を調節し、細胞の増殖や分化、血管新生などの多様な生物学的プロセスに関与している。3
また、ペルレカンは腎臓の糸球体におけるろ過バリアの形成にも寄与しており、負に帯電したヘパラン硫酸鎖によってアルブミンなどのタンパク質が尿中に漏れ出るのを防ぐ働きをしている。1
ヒトにおけるHSPG2遺伝子の変異は、シュワルツ・ヤンペル症候群(Schwartz-Jampel syndrome)やシルバーマン・ハンドメーカー症候群(Silverman-Handmaker syndrome)といった、骨格や筋肉の発達異常を伴う遺伝性疾患の原因となることが知られている。3
このように、ペルレカンは単なる構造支持タンパク質にとどまらず、分子レベルでの生体防御や細胞間コミュニケーションにおいて極めて重要な機能を持つ分子である。1