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HEALTH WORDS / 用語解説

運動機能

Motor Function

運動機能とは、中枢神経系および末梢の神経系の指令によって、骨格筋が収縮・弛緩し、身体の姿勢保持や移動、巧緻的な動作を行う生体の能力全般を指す。1

人間をはじめとする動物の運動機能は、大脳皮質の運動野における随意運動の計画および立案から始まる。2

大脳皮質で生成された神経信号は、錐体路などの下行性伝導路を介して脊髄へと伝えられ、さらに末梢神経を経て標的となる骨格筋へと伝達される。3

筋肉へ伝達された信号は、神経筋接合部におけるアセチルコリンの放出をトリガーとして筋収縮を引き起こし、関節を介して具体的な身体の動きとして具現化される。4

この一連の運動プロセスが円滑に行われるためには、小脳や基底核といった脳深部の構造物による緻密な調節が不可欠である。5

小脳は運動のタイミングや力の配分を学習・記憶に基づき微調整し、平衡感覚を保つことで姿勢反射や歩行を滑らかに制御している。5

一方、基底核は運動の開始や抑制、不要な筋活動の排除を行い、目的にかなった随意運動が円滑に遂行されるよう全体のバランスを統御する。6

さらに、筋肉の収縮状態や関節の位置情報は固有受容感覚(深部感覚)として筋紡錘や腱器官などの感覚受容器から絶えず中枢神経系へフィードバックされており、これによりリアルタイムでの運動の修正が可能となっている。7

加齢や脳血管障害、神経変性疾患などの病態によって、これらの運動機能の制御ネットワークの一部が障害されると、麻痺や運動失調、筋力低下、固縮、振戦といった様々な臨床的症状が現れる。8

例えばパーキンソン病では基底核の障害により運動機能が著しく低下し、動作緩慢や姿勢保持障害が生じる。9

したがって、運動機能の維持やリハビリテーションによる回復を図る上では、筋力そのもののトレーニングだけでなく、神経系を含めた総合的な運動制御メカニズムへのアプローチが重要視されている。10

参考文献・出典

  1. 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-01-001.html ↩
  2. 脳科学辞典: https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E9%81%8b%E5%8B%95%E9%87%8e ↩
  3. 脳科学辞典: https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E9%8D%9b%E9%AB%94%E8%B7%AF ↩
  4. 生理学テキスト: https://www.fujita-hu.ac.jp/~physiology/text/neuromuscular.html ↩
  5. 脳科学辞典: https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E5%B0%8F%E8%84%B3 ↩1 ↩2
  6. 脳科学辞典: https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E5%9F%BA%E5%BA%95%E6%A0%B8 ↩
  7. 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-02-008.html ↩
  8. 国立長寿医療研究センター: https://www.ncgg.go.jp/hospital/guide/ryoiku/rehabilitation/shougaishouhachi.html ↩
  9. 難情報センター: https://www.nanbyou.or.jp/entry/160 ↩
  10. 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-01-002.html ↩