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HEALTH WORDS / 用語解説

ストロンチウム

ストロンチウムとは、元素記号Sr、原子番号38で示される、アルカリ土類金属に属する元素の一つである。1

銀白色の金属であり、化学的な性質はカルシウムやバリウムと類似している。

自然界においては、地殻中や海水中に微量に存在しており、鉱物としては天青石(ストロンチアナイトなど)として産出することが知られている。

元素としては4つの安定同位体が存在し、自然界のストロンチウムはこれらが混ざり合って構成されている。2

健康や放射線科学の分野において、ストロンチウムは放射性同位体であるストロンチウム90(Sr-90)の観点から特に重要視されることが多い。

ストロンチウム90は、核分裂反応によって生成される人工放射性核種の一つであり、原子力発電所の事故や核実験などに伴って環境中へ放出されることがある。2

ストロンチウムは化学的性質がカルシウムと非常によく似ているため、生物の体内に取り込まれやすいという特徴を持っている。

人間や動物が経口摂取などによってストロンチウムを体内に取り込んだ場合、カルシウムと同様の代謝経路たどる。

そのため、体内に吸収されたストロンチウムの大部分は骨や歯などの硬組織に沈着し、長期間にわたって留まる性質がある。2

特に放射性物質であるストロンチウム90が骨に蓄積された場合、周囲の組織に対して長期間にわたり放射線(主にベータ線)を照射し続けることになる。

これが骨髄や骨組織に対して悪影響を及ぼし、造血器腫瘍や骨肉腫などの健康リスクを高める原因となることが知られている。1

このような健康へのリスクを防ぐため、政府機関や国際機関では、食品や飲用水中の放射性物質に対する基準値を設定し、厳格なモニタリングを行っている。1

また、医療分野や工業分野においては、非放射性のストロンチウム化合物が特定のセラミックスやガラスの製造、あるいは医薬品の成分の一部として応用されることもある。

参考文献・出典

  1. 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukka/070405/index.html ↩1 ↩2 ↩3
  2. 原子力規制委員会: https://www.nsr.go.jp/data/000234195.pdf ↩1 ↩2 ↩3