HEALTH WORDS / 用語解説
セレブラシド
Cerebroside
セレブラシドとは、セラミドの1位の水酸基に糖が1分子結合した構造を持つ、中性の糖脂質(グリコスフィンゴ脂質)の総称である。1
セレブラシドは、糖脂質の中で最も単純な構造を持つモノグリコシルフロンゴ脂質であり、神経組織、特に脳や脊髄の髄鞘(ミエリン)に豊富に存在している。2 髄鞘は神経線維の周囲を取り囲む絶縁性の構造であり、神経衝動の伝導速度を向上させる重要な役割を担っている。3
化学的な基本骨格としては、長鎖塩基であるスフィンゴシンなどのスフィンゴイドベースに脂肪酸がアミド結合したセラミドを基盤としている。2 このセラミドのヒドロキシ基に結合する糖の種類によってさらに分類され、通常はグルコースが結合したグルコシルセラミドや、ガラクトースが結合したガラクトシルセラミドが主要なものとして知られている。2
動物種や組織の種類によって結合する脂肪酸の種類や組成には多様性が見られ、例えば脳組織に存在するガラクトシルセラミドには、ヒドロキシ脂肪酸などの特殊な脂肪酸が多く含まれることが特徴である。2 また、植物や酵母などの真核生物においても、グルコシルセラミドなどが細胞膜の構成成分として広く見出されている。2
生体内における代謝異常に関連して、セレブラシドの分解に関与する酵素の欠損や機能低下は、様々な脂質蓄積症(スフィンゴリピドーシス)を引き起こすことが知られている。4 代表的な例として、ガラクトシルセラミドの分解酵素であるガラクトセレブロシダーゼの活性低下により発症するクラッベ病があり、中枢神経系の髄鞘崩壊や脱髄症状を特徴とする重篤な遺伝性疾患として研究が進められている。4
参考文献・出典
- e-Stat 統計で見る日本: https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003138865 ↩
- J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200907036662495679 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
- 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-082.html ↩
- 厚生労働省 難治性疾患等政策研究事業: https://www.nanbyou.or.jp/entry/4060 ↩1 ↩2