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HEALTH WORDS / 用語解説

セレブロシドスルホトランスフェラーゼ

セレブロシドスルホトランスフェラーゼとは、セレブロシド(ガラクトシルセレブロシド)の水酸基に硫酸基を転移させ、スルファチド(ガラクトシルセラミド硫酸エステル)を生成する反応を触媒する酵素である。1

本酵素の反応においては、活性硫酸供与体である3'-ホスホアデノシン-5'-ホスホ硫酸(PAPS)から硫酸基を受け取り、糖脂質であるセレブロシドのガラクトース残基の特定の水酸基(主として3位)へエステル結合を介して転移させる機能を持つ。1

生体内における代謝経路において、セレブロシドスルホトランスフェラーゼは中枢神経系の髄鞘(ミエリン)の主要な構成成分であるスルファチドの生合成を担うきわめて重要な酵素として位置づけられている。1

神経系の発達段階やオリゴデンドロサイトおよびシュワン細胞といったグリア細胞の分化の過程において、本酵素の活性や発現量の変動が髄鞘形成のプロセスと密接に関連していることが知られている。1

酵素化学的な性質として、本酵素は膜結合型酵素であり、主にゴルジ体の膜に局在して糖脂質の修飾や成熟に関与していることが細胞生物学的な研究によって明らかにされている。1

遺伝子レベルまたは分子生物学的な解析においても、セレブロシドスルホトランスフェラーゼの遺伝子異常や発現低下が引き起こすスルファチドの生合成異常は、神経系の機能障害や特定の白質変性症などの病態との関連性が指摘されている。2

このように、セレブロシドスルホトランスフェラーゼは単なる脂質代謝にかかわる一つの触媒にとどまらず、神経組織の構造維持や高次機能の維持に不可欠な生体防御および情報伝達基盤を支える分子として、多くの基礎医学および生化学の領域で研究対象となっている。2

参考文献・出典

  1. 京都大学 物質-細胞統合システム拠点: https://repository.kulib.kyoto-u.2..ac.jp/dspace/bitstream/2433/196024/1/bk9784807908990-ch01.pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
  2. 科学技術振興機構: https://www.jstage.jst.go.jp/article/biophys/55/1/55_028/_pdf ↩1 ↩2