HEALTH WORDS / 用語解説
ファルネシルピロリン酸シンターゼ
Farnesyl pyrophosphate synthase
ファルネシルピロリン酸シンターゼとは、コレステロールやイソプレノイドの生合成経路であるメバロン酸経路において中心的な役割を果たす酵素の一つである。1
本酵素は、ジメチルアリルピロリン酸やイソペンテニルピロリン酸を基質として縮合反応を触媒し、ゲラニルピロリン酸を経由してファルネシルピロリン酸を生成する反応を担っている。1
生成されたファルネシルピロリン酸は、コレステロール合成の前駆体となるだけでなく、タンパク質のプレル化(ファルネシル化)に必要な基質としても機能する。2
プレル化は、Rasなどの低分子量Gタンパク質が細胞膜へ局在し、そのシグナル伝達機能を発揮するために不可欠な翻訳後修飾である。2
薬理学的な観点において、ファルネシルピロリン酸シンターゼはビスホスホネート系薬剤の主要な標的分子として広く知られている。3
骨粗鬆症の治療などに用いられる窒素含有ビスホスホネート(アレンドロネートやリセロネートなど)は、この酵素の働きを強力に阻害する。3
酵素が阻害されるとファルネシルピロリン酸の合成が滞り、その結果として破骨細胞におけるタンパク質のプレル化が抑制される。3
この作用機序により、破骨細胞の形態変化や細胞骨格の維持が妨げられ、結果として骨吸収が抑制されて骨密度の維持や改善につながる。3
参考文献・出典
- J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200907026725287661 ↩1 ↩2
- 国立国会図書館インターネット資料収集事業: https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11613247/www.nih.go.jp/niid/ja/lab-manual/742-virology/8118-eiken-manual-41.html ↩1 ↩2
- J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201307018903328224 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4