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HEALTH WORDS / 用語解説

プラズミド

Plasmid

プラズミドとは、細菌などの細胞内において、染色体とは独立して自律複製を行う、主として環状の二本鎖DNA分子の総称である。1

プラズミドは自然界の多くの原核生物、特に細菌や一部の真核生物の細胞質内にゲノムDNAとは別個に存在している。

その大きさは数キロ塩基対から数百キロ塩基対に及び、宿主の生存に必須ではない遺伝情報を担っていることが多い。2

しかし、環境適応上有利となる薬剤耐性遺伝子や重金属耐性遺伝子、代謝酵素などをコードしていることが多く、生物学や医学の分野において極めて重要な役割を果たしている。1

プラズミドの最も重要な特性の一つは、宿主細胞の分裂とは独立して、あるいは協調して複製を行う自律複製能を持っている点である。

これにより、細胞が分裂して娘細胞へと遺伝していく過程で、プラズミドも安定して継代される仕組みを持っている。

さらに、多くのプラズミドは接合などの機構を通じて、同一種あるいは異なる種の細菌の間で水平伝播することが可能である。1

この性質により、薬剤耐性などの有用な形質が菌株間で急速に拡散する原因となり、医療現場における耐性菌の出現と拡大において中心的な役割を担っている。2

遺伝子工学や分子生物学の分野においては、目的とする遺伝子を細胞内に導入するためのベクター(運搬体)として広く利用されている。2

制限酵素やDNAリガーゼなどの酵素を用いることで、プラズミドDNAの一部に外来の遺伝子を組み込むことが可能であり、これにより組換えDNA技術の基盤が形成された。1

遺伝子組換え技術によって作製された組換えプラズミドは大腸菌などの宿主に形質転換によって導入され、大量のタンパク質の生産や遺伝子のクローニングなどに応用されている。2

参考文献・出典

  1. J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200906059286817292 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
  2. 文部科学省: https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijutsu/gijutsu4/gijustu004/gassaku/1339308.htm ↩1 ↩2 ↩3 ↩4