HEALTH WORDS / 用語解説
継代
Passage
継代とは、培養している細胞や微生物の密度が過剰になった際、その一部を新しい培養液や培地へと植え継ぎ、培養を継続する操作のことをいう。1
医薬品の製造や生物学的な研究において、細胞を長期間維持・増殖させるためには不可欠なプロセスである。1
接着細胞を継代する場合、通常は培養容器の底面に付着している細胞をトリプシンなどの蛋白分解酵素を用いて遊離させ、浮遊状態にする。2
遊離させた細胞を遠心分離などの方法によって回収し、新鮮な培地に再懸濁した上で、新しい培養容器へと播種する。2
継代を繰り返す回数は「継代数」と呼ばれ、細胞の生物学的特性や老化の度合いを評価する上で重要な指標となる。1
多くの初代培養細胞や有限細胞株では、継代数を重ねるにつれて増殖速度が低下し、最終的に細胞老化に至る性質を持つ。2
一方で、不死化細胞株などは比較的安定して継代を続けることができるが、長期間の継代によって染色体異常や遺伝的変異が生じるリスクが懸念される。2
そのため、バイオ医薬品の製造や品質管理においては、マスターセルバンクからワーキングセルバンクを経て、あらかじめ定められた規定の継代数以内の細胞のみを使用することが厳格に求められている。1
また、微生物学の領域においては、細菌や真菌などの菌株を維持するために、斜面培地などを用いて定期的に新しい培地へ植え継ぐ作業も継代と称される。3
微生物の継代においても、過度な回数の実施は変異株の出現や特性の変化を招く原因となるため、適切な保存および管理体制が必要とされる。3
参考文献・出典
- 厚生労働省 医薬食品局: https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinboukukanka_Kouseikagakuka/0000057284.pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
- 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構: https://www.pmda.go.jp/files/000155259.pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
- 国立医薬品食品衛生研究所: https://www.nihs.go.jp/osh/jiss/jisd0215.pdf ↩1 ↩2