HEALTH WORDS / 用語解説
プロカスパーゼ-9
Procaspase-9
プロカスパーゼ-9とは、アポトーシスの内因性経路(ミトコンドリア経路)において中心的な役割を果たすカスパーゼ-9の不活性型前駆体である。1
通常、細胞質内に単量体として存在しており、そのまのではタンパク質分解酵素としての活性を持たないチオールプロテアーゼの前駆体である。2
細胞ストレスやDNA損傷などのアポトーシス誘導シグナルが生じると、ミトコンドリアの外膜透過性が亢進し、シトクロムcが細胞質へと放出される。1
細胞質に放出されたシトクロムcは、Apaf-1(アポトーシスプロテアーゼ活性化因子-1)およびdATP/ATPと結合し、アポソームと呼ばれる巨大な多量体複合体を形成する。2
プロカスパーゼ-9は、そのCARD(カスパーゼリクルートドメイン)を介してアポソームのApaf-1と相互作用し、リクルートされる。1
アポソーム上に集積したプロカスパーゼ-9は、近接誘導による自己触媒的な切断または構造変化を受けることで、活性型のカスパーゼ-9へと変換される。2
活性化したカスパーゼ-9は、下流にあるエフェクターカスパーゼであるカスパーゼ-3やカスパーゼ-7を切断・活性化し、細胞死の実行カスケードを増幅させる。1
このプロカスパーゼ-9の活性化経路は、哺乳類の細胞におけるプログラム細胞死の制御において極めて重要なステップであり、発生過程や組織の恒常性維持、さらには癌や神経変性疾患などの病態メカニズムとも深く関わっている。2
参考文献・出典
- アポトーシスにおけるカスパーゼ-9の活性化機序: https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/47/9/47_866/_pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
- Procaspase-9 Activation and Apoptosome: https://www.jstage.jst.go.jp/article/biophys/52/6/52_278/_pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4