HEALTH WORDS / 用語解説
プロゼラチナーゼB
Progelatinase B
プロゼラチナーゼBとは、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)ファミリーに属する酵素であるゼラチナーゼB(別名MMP-9)の不活性型前駆体である。1
プロゼラチナーゼBは、N末端側にシグナルペプチドおよびプロドメインを持つタンパク質として生合成される。2
このプロドメイン内には特定のシステイン残基が存在し、これが活性中心の亜鉛イオンと結合することで酵素活性が抑制された潜伏期の状態を維持している。3
生体内において、プロゼラチナーゼBはタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)によるプロドメインの限定切断を受けることによって、活性型のゼラチナーゼBへと変換される。1
活性化したゼラチナーゼBは、細胞外マトリックスを構成する基質のうち、主に型コラーゲン|IV型コラーゲンやゼラチンなどを特異的に切断・分解する働きを持つ。3
プロゼラチナーゼBの遺伝子発現や活性化の制御機構は、組織のリモデリングや創傷治癒、炎症反応などの生理的プロセスにおいて極めて重要な役割を果たしている。1
一方で、プロゼラチナーゼBの過剰な活性化や発現上昇は、癌の浸潤や転移、炎症性疾患などの病態形成にも深く関与していることが知られている。3
参考文献・出典
- 日本化学総覧: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200907031309859599 ↩1 ↩2 ↩3
- UniProt: https://www.uniprot.org/uniprotkb/P14780/entry ↩
- 蛋白質核酸酵素: https://bsd.neuroinf.jp/wiki/マトリックスメタロプロテアーゼ ↩1 ↩2 ↩3