ホームベイロネラ

HEALTH WORDS / 用語解説

ベイロネラ

Veillonella

ベイロネラ属の細菌は、その代謝特性として糖質を直接資化して酸を産生する能力を欠いている点が大きな特徴である。1

代わりに、口腔内のう蝕原因菌や他の微生物が糖の発酵代謝によって生成した乳酸などの有機酸を取り込み、これをプロピオン酸や酢酸、二酸化炭素へと代謝・変換して生存している。1

このユニークな代謝経路により、周囲の環境における酸性度を和らげる働きを持つため、口腔微生物叢のエコロジカルなバランスやpHの恒常性維持において重要な役割を果たしていると考えられている。1

一般的には日和見感染の病原体としての側面は比較的低いとされてきたが、免疫不全状態の患者や基礎疾患を持つ宿主において、心内膜炎や骨髄炎、菌血症、敗血症などの日和見感染症を引き起こした臨床的な分離症例が医学文献において報告されている。2

また、分子生物学的な16S rRNA遺伝子配列解析やメタゲノム解析などの網羅的な菌叢解析手法の発展に伴い、ヒトの健康状態や疾患、特に腸内細菌叢の多様性や生活習慣病、アスリートの運動耐容能との関連性についても近年研究が進められている。3

参考文献・出典

  1. Microbiology Spectrum: https://journals.asm.org/doi/10.1128/spectrum.02105-21 ↩1 ↩2 ↩3
  2. Journal of Clinical Microbiology: https://jcm.asm.org/content/40/8/2778 ↩
  3. Nature Medicine: https://www.nature.com/articles/s41591-019-0485-4 ↩