HEALTH WORDS / 用語解説
モノユビキチン化
Monoubiquitination
モノユビキチン化とは、標的タンパク質のリシン残基に1分子のユビキチンが共有結合的に付加される翻訳後修飾の一種である。生命科学分野のデータベースUniProtによると、これはタンパク質のユビキチン化における基本的な形態の一つであり、複数分子のユビキチンが連鎖的に結合するポリユビキチン化とは区別される。1
ユビキチンの付加反応は、ユビキチン活性化酵素(E1)、ユビキチン結合酵素(E2)、そしてユビキチンリガーゼ(E3)と呼ばれる一連の酵素群がカスケード状に作用することで進行する。一般に、タンパク質の分解を誘導するポリユビキチン化とは異なり、モノユビキチン化は非タンパク質分解性の調節シグナルとして機能することが多い。例えば、細胞膜上に存在する受容体などの膜タンパク質に対するモノユビキチン化は、それらのエンドサイトーシス(細胞内取り込み)や、リソソームを介した細胞内小胞輸送の重要なシグナルとして働くことが知られている。2
さらに、モノユビキチン化は細胞核内においても多様な生理学的役割を担っている。その代表例がヒストンの修飾であり、クロマチン構造のダイナミクス制御や、遺伝子発現の転写調節、さらにはDNA修復の機構において中心的な役割を果たしていることが学術研究によって明らかにされている。このように、モノユビキチン化はシグナル伝達、タンパク質間相互作用の制御、膜交通など、真核生物の多岐にわたる細胞機能の調節に深く関与している。2
参考文献・出典
- UniProt: https://www.uniprot.org/help/ptm_mod_db ↩
- NBDCトランスボボ・データベース: https://integbio.jp/dbcatalog/record/nbdc00293 ↩1 ↩2