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HEALTH WORDS / 用語解説

ユムシ動物

Echiura

ユムシ動物とは、環形動物門に属する分節のない体腔動物の一群であり、底生生物として海産の泥や砂の中に生息する底生無脊椎動物の総称である。1 かつては独立したユムシ動物門(Echiura)として扱われていたが、近年の分子系統学的解析および形態学的知見の進展に伴い、環形動物の多毛類(ゴカイ類など)の内部クレードに含まれることが明らかとなり、現在は環形動物門多毛綱の下位分類群として位置づけられている。2 体は一般に円筒形あるいはソーセージ状を呈し、頭部と胴部の区別が外見上は不明瞭である。 口の前方には長く伸長する吻(口前葉)が発達しており、この吻は筋肉質で伸縮自在であり、採餌の際に重要な役割を果たしている。 吻の表面には繊毛が密生しており、海底の表面にある有機物やデトライタスなどの微粒子を捕捉して口へと運ぶ機能を持つ。 ただし、多くのユムシ動物において吻は自切しやすい性質を持つが、再生能力も備わっている。

消化管は一般に非常に長く、体腔内で複雑に屈曲しているのが特徴である。 消化管の後半部には肛門呼吸に関連するとされる肛門嚢(肛門腺)が一対または複数対存在し、海水を取り込んでガス交換を行うとともに、代謝産物の排泄にも関与していると考えられている。 体腔内には広大な体腔液が満たされており、その中には赤血球に類似した細胞が含まれ、ヘムを含む色素によって酸素を運搬する機能を持つものもある。 神経系としては、腹側に腹神経索が走り、前端には口を取り囲む神経環が発達しているが、脳としての構造は比較的単純である。 また、循環系は閉鎖血管系を持つ種と、血管系が退化して体腔液がその役割を代替している種が存在する。

生殖に関しては、大部分の種が雌雄異体であり、体外受精を行う。 生殖巣は体腔内に放卵・放精する単純な構造であり、生殖細胞は腎管(体腔管)を介して体外へと放出される。 受精卵は発生の過程を経て、多毛類のトロコフォア幼生に酷似した幼生期を経過するため、これが両者の系統進化的な近縁性を示す強力な証拠の一つとなっている。 生態的地位としては、沿岸域から深海に至るまでの海底の砂泥底にU字形またはJ字形の巣穴を掘って暮らしている。 巣穴の内部に潜むことで、捕食者から身を守りながら吻を海底面に伸ばして採餌を行うため、底生生態系における物質循環に寄与している。 日本国内の沿岸の泥地や砂浜にもいくつかの種が生息しており、例えばユムシ(Urechis unicinctus)などは釣り餌や食用として利用されることもある。3

参考文献・出典

  1. 生物多様性センター: https://www.biodic.go.jp/JIBOP/marine/benthos/benthos_list.html ↩
  2. 国立科学博物館: https://www.kahaku.go.jp/research/db/zoology/db/echiura.html ↩
  3. 水産研究・教育機構: https://www.fra.go.jp/press/release/pr2020/20200331.html ↩