HEALTH WORDS / 用語解説
リーシュマニア・ブラジリエンシス
Leishmania braziliensis
本種は主として中南米地域に分布しており、サシチョウバエ類によって媒介される人獣共通感染症の原因菌として知られている。12
感染経路としては、感染したサシチョウバエが吸血する際に、鞭毛虫であるプロマスティゴートと呼ばれる形態の原虫が宿主の皮膚へと侵入することによって成立する。12
体表から侵入したプロマスティゴートは、宿主のマクロファージなどの貪食細胞に取り込まれることで、細胞内でアマスチゴートと呼ばれる無鞭毛型の形態へと変化し、分裂・増殖を行う性質を持っている。12
本種による臨床症状の特徴として、皮膚の潰瘍形成にとどまらず、鼻腔や口腔といった粘膜組織へ転移および浸潤を起こすリスクが挙げられ、これにより組織の重篤な破壊や変形をもたらす皮膚粘膜リーシュマニア症を発症することがある。12
診断にあたっては、患部の組織診や塗抹標本における原虫の顕微鏡的確認、あるいは遺伝子検査法であるPCR法などが活用される。12
治療および予防の観点からは、媒介昆虫であるサシチョウバエへの防護対策が極めて重要であり、薬物療法としてはアンチモン化合物などが用いられることがあるが、粘膜病変を伴う場合には治療が長期化し難治性となるケースも存在する。12