HEALTH WORDS / 用語解説
両生類
Amphibia
両生類とは、脊椎動物亜門の一群であり、水生の幼生期を経て変態し、陸上生活に適応した四肢動物の総称である。1
両生類は、魚類と爬虫類の間に位置づけられる生物群であり、カエル目(無尾目)、サンショウウオ目(有尾目)、アシナシイモリ目(無足目)の3つの目が現存している。2
両生類の最大の特徴の一つは、生活環の途中で変態を行うことである。卵から孵化した幼生は一般に鰓を持ち水中で生活するが、変態を経て肺や皮膚呼吸を行う成体となり、陸上へ進出する種が多い。ただし、一生を水中で過ごす種や、直接発育によって陸上で幼生期を過ごす種も存在する。1
皮膚は角質層が薄く、多数の粘液腺や毒腺が存在し、皮膚呼吸を行う上で重要な役割を担っている。一方で、皮膚からの水分蒸発を防ぐ能力が低いため、乾燥した環境には極めて弱いという生理学的な特徴を持つ。2
体温は外温動物であり、周囲の環境温度によって体温が変化する。繁殖行動の多くは水中または湿潤な環境で行われ、受精様式には体外受精と体内受精の両方が見られる。卵には爬虫類や鳥類のような硬い殻がなく、ゼリー状の卵膜に包まれているため、乾燥を防ぐために水中や湿った場所に産卵されるのが一般的である。1
生態系における両生類は、昆虫類などの無脊椎動物を捕食する一方で、より高次の捕食者の餌となるため、食物網において重要な生態系ピラミッドの位置を占めている。また、皮膚が環境中の物質を吸収しやすい構造をしているため、環境汚染や気候変動の影響を非常に受けやすく、環境指標生物としても重要な分類群である。近年では、生息地の破壊や感染症の広がりにより、世界的に両生類の多様性の減少が懸念されている。2