HEALTH WORDS / 用語解説
中斜角筋
中斜角筋とは、頸椎の横突起から第1肋骨へと走行し、頸部の側面に位置する骨格筋の一つである斜角筋群の中で最も大きな筋肉である。1
中斜角筋は、前斜角筋および後斜角筋とともに斜角筋群を構成している。2 起端は第2から第7頸椎の横突起の後結節であり、筋繊維は下方および外側方へ向かって走行し、第1肋骨の上面にある鎖骨下動脈溝の後方へと停止する。1
中斜角筋の主な機能は、頸椎の側方屈曲および回旋であり、片側が収縮することで同側への頸部の倒し込みや回旋に関与する。3 また、両側が同時に収縮した場合には頸椎の屈曲を助ける働きを持つほか、吸気時には第1肋骨を引き上げることで呼吸運動を補助する呼吸筋としての役割も担っている。3
中斜角筋と前斜角筋の間には斜角筋隙と呼ばれる隙間が存在しており、この隙間を通って腕神経叢や鎖骨下動脈といった重要な神経や血管が上肢へと向かって走行している。2 そのため、中斜角筋の過度な緊張や肥大、あるいは炎症などが生じると、この斜角筋隙を通る腕神経叢や鎖骨下動脈が圧迫される原因となる。4
このような中斜角筋による神経や血管の圧迫は、胸郭出口症候群の一種である斜角筋症候群を引き起こす主要な要因として知られている。4 斜角筋症候群の発症により、上肢における痺れや痛み、感覚障害、さらには筋力低下などの多彩な臨床症状が引き起こされることがある。5
参考文献・出典
- 日本人体解剖学 上巻: https://www.nankodo.co.jp/g/g9784524220908/ ↩1 ↩2
- 解剖学ウェブ: https://www.AnatomyZone.com/ ↩1 ↩2
- 標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野 解剖学: https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/33215 ↩1 ↩2
- 頸肩腕障害の臨床: https://www.Ishiyaku.co.jp/ ↩1 ↩2
- 標準整形外科学: https://www.Igaku-shoin.co.jp/book/detail/99068 ↩