HEALTH WORDS / 用語解説
頸筋
cervical muscles
頸筋とは、頭蓋骨および頸椎と、胸郭や肩甲骨を結び、頭部や頸部の運動および姿勢の保持に関与する筋群の総称である。1 2
頸筋は、その位置や解剖学的な階層構造、および機能に基づいて、浅頸筋、深頸筋、外側頸筋、舌骨上筋、舌骨下筋などに大別される。1 2
浅層に位置する広頚筋は、広範囲にわたる皮下筋であり、下顎骨の下方への引き下げや頸部の皮膚の緊張に関与する皮筋としての特異な性質を持つ。1 2
また、胸鎖乳突筋は頸部の側面に位置する強力な筋肉であり、一側が収縮した場合には頭部を同側へ側屈させるとともに顔面を対側へ回旋させ、両側が同時に収縮した場合には頭部を前屈させる作用を持つ。1 2
頸部の前面には舌骨を挟んで舌骨上筋群と舌骨下筋群が存在し、これらは咀嚼、嚥下、および発声の際に舌骨や喉頭の位置を調節する重要な役割を果たしている。1 2
舌骨上筋群には顎二腹筋、顎舌骨筋、オトガイ舌骨筋、茎突舌骨筋が含まれ、下顎骨を引き下げるか舌骨を上方へ引き上げる機能を持つ。1 2
一方、舌骨下筋群には胸骨舌骨筋、胸骨甲状筋、甲状舌骨筋、肩甲舌骨筋が含まれ、舌骨や喉頭を下方へ引き下げる作用を担う。1 2
深層に位置する深頸筋には、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋からなる斜角筋群があり、頸椎を側屈させるとともに上位肋骨を引き上げて呼吸運動を補助する。1 2
さらに、斜角筋群と頸椎の前面および後面には頭長筋や頸長筋などの椎前筋群や椎間筋群が存在し、頭部および頸椎の屈曲、回旋、ならびに安定化に寄与している。1 2
これらの頸筋群は、脳神経や頸神経叢、腕神経叢からの支配を受けて精緻な運動を行っており、頭部の重力に対する保持や感覚器の方向転換において不可欠な器官である。1 2