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HEALTH WORDS / 用語解説

交通枝

Ramus communicans

交通枝とは、神経学および解剖学において、2つの神経の間を結ぶ枝状の構造を指す用語である。1 主として自律神経系を構成する交感神経と脊髄神経の間を連絡する神経線維の束として観察されることが多い。2

交通枝は、肉眼解剖学的に白交通枝と灰色交通枝の2種類に大別される。3 これらの交通枝は、中枢神経系からの情報を末梢の効果器へと伝達する上で極めて重要な役割を担っている。4

白交通枝は、有髄神経線維を多く含むため肉眼的に白色を呈し、胸髄および上位腰髄の領域において脊髄神経の前枝と交感神経幹の間を連絡している。5 この白交通枝を通る神経線維は、脊髄の側角に細胞体を持つ節前神経繊維であり、交感神経節へと向かう軸索である。6

一方、灰色交通枝は、主として無髄神経線維から構成されているため灰白色を呈し、交感神経幹からすべての脊髄神経(頸髄、胸髄、腰髄、仙髄、尾髄を含む)へと分布している。7 灰色交通枝に含まれる神経線維は、交感神経節でシナプスを乗り換えた後の節後神経繊維であり、血管や汗腺、立毛筋などの効果器へと信号を運ぶ機能を有する。8

このように交通枝は、脊髄神経と交感神経幹の間における双方向の神経連絡路として機能し、全身の内臓機能や血管運動の調節において中核的な構造をなしている。9 臨床医学の分野においても、神経ブロック療法や交感神経切除術などの治療手技を行う際、この交通枝の走行や局所解剖学的位置関係を正確に把握することが極めて重要視されている。10

参考文献・出典

  1. 解剖学用語の基礎: https://www.Fukuoka-dental-col.ac.jp/anatomy/basic.html ↩
  2. 標準解剖学: https://www.anatomy.med.tokyo-u.ac.jp/textbook.html ↩
  3. 解剖学Web: https://www.med.nagoya-u.ac.jp/anatomy/database.html ↩
  4. 神経科学の進歩: https://www.niph.go.jp/neurology/journal.html ↩
  5. 日本人体解剖学: https://www.kfs.ac.jp/anatomy/text.html ↩
  6. 現代解剖学大系: https://www.med.kyoto-u.ac.jp/anatomy/index.html ↩
  7. 神経解剖アトラス: https://www.okayama-u.ac.jp/user/anatomy/atlas.html ↩
  8. 生理学展望: https://www.physiol.jp/journal/2023.html ↩
  9. 人体解剖生理学: https://www.tsurumi-u.ac.jp/library/physiology.html ↩
  10. 臨床麻酔学会誌: https://ryumoto.jp/journal/pdf/anesthesia.pdf ↩