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HEALTH WORDS / 用語解説

交感神経幹

Sympathetic trunk

交感神経幹とは、脊柱の左右両側に頭側から尾側にかけて縦走する、神経節が連なった索状の自律神経系の構造物である。1 交感神経系において節前神経繊維と節後神経繊維がシナプスを形成する場を提供し、全身の内臓や血管、汗腺などの効果器へ神経シグナルを中継する重要な役割を担っている。2

交感神経幹は頭蓋底から尾骨の前方にまで及び、上下に連続した交感神経節を含んでいる。 これらの神経節は位置によって頸神経節、胸神経節、腰神経節、仙骨神経節、および尾骨神経節に区分される。3 ヒトにおいては通常、頸部に3対、胸部に10〜12対、腰部に2〜4対、仙骨部に4〜5対、そして尾骨の前に1対の尾骨神経節(通常は左右が融合して奇神経節となる)が認められるが、その数には個人差や左右差が見られることがある。4

中枢神経系である脊髄の胸腰髄(第1胸髄から第2または第3腰髄までの範囲)の側柱にあるニューロンから発した節前神経繊維は、前根を経て脊髄神経に入り、白交通枝を介して交感神経幹へと流入する。5 交感神経幹に入った節前神経繊維の挙動にはいくつかのパターンが存在する。 一つは、流入した交感神経節内で直ちに節後ニューロンとシナプスを形成する経路である。 二つ目は、交感神経幹を上下に走行して、流入した位置とは異なる高さの神経節でシナプスを形成する経路である。 三つ目は、神経節内でシナプスを乗り換えることなく交感神経幹を通過し、幹を出て椎前神経節(腹腔神経節や上腸間膜神経節など)に到達してからシナプスを形成する経路である。6

交感神経幹の各神経節でシナプスを乗り換えた節後神経繊維は、灰交通枝を経て再び脊髄神経に戻り、体幹や四肢の血管、立毛筋、汗腺などへと分布する。1 また、頭部や胸腔内臓器、腹腔内臓器へ向かう節後神経繊維や節前神経繊維は、交通枝や直接の内臓神経を介してそれぞれの標的器官へと投射される。2 このように交感神経幹は、脊髄からの情報を効率的に全身の末梢組織へ分配し、闘争か逃走か反応をはじめとする生体の恒常性維持やストレス応答における自律神経反射の中枢と末梢を結ぶ結節点として機能している。5

参考文献・出典

  1. 解剖学用語辞典: https://www.lifescience.co.jp/anat/index.html ↩1 ↩2
  2. 日本人体解剖学 上巻: https://www.nankodo.co.jp/g/g9784524230914/ ↩1 ↩2
  3. 標準解剖学: https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/3230 ↩
  4. 解剖学講義: https://www.nankodo.co.jp/g/g9784524213894/ ↩
  5. 標準生理学: https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/9784260021487 ↩1 ↩2
  6. 生理学テキスト: https://www.bunyeido.co.jp/products/detail.php?product_id=452 ↩