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HEALTH WORDS / 用語解説

初期胚

Early Embryo

初期胚とは、受精卵が卵割を繰り返しながら子宮へ着床するまでの間に形成される、発生初期の胚の総称である。1

精子と卵子が受精することによって受精卵(接合子)が形成され、そこから細胞分裂の一種である卵割が開始される。2 受精卵は細胞の数を増やしながら卵割を進め、発生のステージが進むにつれて桑実胚や胚盤胞といった形態へと変化していく。3 受精から胚盤胞に至るまでのこれらの段階にある胚は、総称して初期胚と呼ばれることが多い。4

哺乳類の発生において、初期胚の段階では母性因子と呼ばれる遺伝子産物が卵子質内に蓄積されており、これが初期の発生を制御している。5 その後、受精卵自身の遺伝子が活動を始める現象である胚ゲノム活性化(Zygotic Genome Activation: ZGA)が起こり、胚は自らの遺伝子情報に基づいて発生を進めるようになる。6 この転換期を経て、細胞はさらに分化への道を歩み始めることとなる。7

生殖補助医療の分野、特に体外受精や顕微授精などの不妊治療においては、採取した卵子を体外受精させた後に得られた初期胚を子宮内へ移植することが行われる。8 体外受精における初期胚移植では、通常受精後2日目から3日目あたりの細胞期にある胚が子宮に戻されることが多い。9 これに対して、さらに発生を進めて胚盤胞まで培養した後に移植する方法もあり、患者の年齢や身体的状態、受精卵の発育状況などに応じて最適な移植のタイミングが慎重に選択される。10

参考文献・出典

  1. 母子保健情報: https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/maternal/mother_child_health.html ↩
  2. 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2mhlw/41517/S1.html ↩
  3. 日本生殖医学会: https://www.jsrm.or.jp/public/funin_qa17.html ↩
  4. 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinbosaihukanbou-Kouseikagakuka/0000049969.pdf ↩
  5. 国立国会図書館: https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I023640033-00 ↩
  6. 科学技術振興機構: https://www.jst.go.jp/pr/announce/20220610/index.html ↩
  7. 国立遺伝学研究所: https://www.nig.ac.jp/nig/ja/2021/03/research-highlights_ja-20210321.html ↩
  8. 日本産科婦人科学会: https://www.jsog.or.jp/medical/286/ ↩
  9. 日本生殖医学会: https://www.jsrm.or.jp/public/funin_qa28.html ↩
  10. 日本生殖補助医療標準化機関: https://jarm.or.jp/general/ivf/ ↩