HEALTH WORDS / 用語解説
救急医療
Emergency Medicine
救急医療とは、急性の発症や受傷によって、生命の危機または重大な機能障害の恐れがある患者に対し、病院前救急医療から救急外来における初期診療、集中治療に至るまで、時間を争う医療を総合的に提供する臨床医学の専門領域である。1
我が国の救急医療体制は、症状の重症度に応じて初期救急医療機関、二次救急医療機関、三次救急医療機関に機能分担がなされており、救急車などの救急業務を通じて救急患者が適切な医療機関へと搬送される仕組みが構築されている。2
初期救急医療は、入院を要さない比較的軽症な急病患者に対応するものであり、休日夜間急患センターなどがその役割を担っている。1
二次救急医療は、入院や手術を要する中等症から重症の救急患者を受け入れる体制であり、病院群輪番制病院や救急告示病院などがこれに該当する。1
三次救急医療は、初期救急や二次救急では対応できない生命の危機に瀕した重篤な救急患者を対象とし、多発外傷、急性薬物中毒、脳卒中、心筋梗塞などの救急疾患に対して、高度な医療機器を用いた専門的治療を24時間体制で提供する救命救急センターがその中核を担っている。1
病院前救急医療の分野では、医師や救急救命士などの医療従事者が現場や救急車内において、気道確保や静脈路確保、特定行為などの救急処置を早期に実施することで、患者の救命率向上と予後改善を図っている。1
救急外来(ER)に到着した患者に対しては、限られた時間の中で最優先すべき処置を見極めるためのトリアージが実施され、蘇生室においては心肺蘇生法や気管挿管、外傷初期診療(JATECなど)に基づく全身管理が迅速に行われる。1
救急医療の現場で扱われる疾患や病態は多岐にわたり、心停止、急性冠症候群、急性心不全、重症敗血症、ショック、熱中症、重症外傷などが含まれ、これらには高度な専門知識と確実な臨床手技が要求される。2
近年の救急医療においては、災害医療やプレホスピタル・ケアの質の向上、さらには高齢化社会に伴う高齢者救急への対応など、社会的ニーズの変化に応じた体制整備が進められており、地域の医療機関や消防機関、行政が密接に連携する救急医療体制の維持と強化が図られている。1