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HEALTH WORDS / 用語解説

放射免疫測定法

Radioimmunoassay

放射免疫測定法とは、抗原抗体反応を利用して血中などの微量な物質を高感度で定量する免疫測定法の一種である。1 放射性同位元素で標識した抗原を用いて、標識抗原と非標識抗原(測定対象物質)の抗体に対する競合反応を利用して測定を行う点が特徴である。2

放射免疫測定法は、1950年代後半にロスリン・ヤロウとソローン・バーソンによって開発された画期的な分析法であり、ホルモンや血中濃度の低いタンパク質などの微量成分を測定することを可能にした。1 この技術の確立により、それまで検出が困難であった生体内物質の精密な測定が可能となり、内分泌学や薬理学などの医学・生物学研究に大きな進展をもたらした。2

測定の基本的な原理は、一定量の抗体に対して、放射性同位元素(一般にはヨウ素125など)で標識した抗原と、検体中に含まれる未知量の非標識抗原(測定対象物質)を共存させ、抗原抗体反応における競合的結合を起こさせることにある。1 検体中の測定対象物質の量が多いほど、抗体に結合する放射性標識抗原の量が減少するため、結合した標識抗原または遊離した標識抗原の放射活性を測定器で計測することによって、あらかじめ作成した標準曲線をもとに試料中の物質の濃度を算出する。2

この手法の最大の利点は、極めて高い感度と特異性を有している点にあり、ピコグラムレベルやフェムトグラムレベルといった微量な生体成分であっても正確に定量できる能力を持っている。1 そのため、臨床検査の領域において、各種ホルモン測定、腫瘍マーカーの検出、ウイルス感染症の抗原あるいは抗体の検査など、疾病の診断や病態把握において広く応用されてきた。2

一方で、放射免疫測定法には放射性物質を取り扱う必要があるという本質的な制約が存在する。1 放射性廃棄物の適切な処理や保管が義務付けられているほか、専用の施設や資格を有する作業者が必要となるため、実施機関が制限される場合がある。2

こうした背景から、近年では放射性同位元素の代わりに酵素を用いる酵素免疫測定法(EIAやELISA)や、蛍光物質・発光物質を用いる測定法への代替が進んでいる。1 これらの非放射性標識を用いる手法は、放射線管理の必要がなく安全性が高く簡便であるため、臨床検査の現場において主流となってきている。2

しかしながら、放射免疫測定法が持つ類まれな高感度や信頼性はいまだに高く評価されており、特に極めて微量な物質の超高感度測定が要求される一部の基礎研究や特殊な臨床検査の分野においては、現在でも重要な分析手法の一つとして活用され続けている。1

参考文献・出典

  1. 厚生労働省 職場のあんぜんサイト: https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/kensaku/hyouji/1045_6.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7
  2. 文部科学省 放射線利用統計・用語集: https://www.mext.go.jp/a_menu/genshi/i_top/1340624.htm ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6