HEALTH WORDS / 用語解説
椎間関節症
椎間関節症とは、脊椎の後方に位置する椎間関節に生じる変性や炎症を原因として、腰痛や背部痛、臀部から下肢にかけての疼痛や痺れを引き起こす疾患である。1
脊椎は、前方の椎体と後方の左右一対の椎間関節によって構成されており、これらの関節は身体の回旋や屈曲などの運動を制御するとともに、荷重を分散する重要な役割を担っている。2
加齢に伴う椎間板の変性や、スポーツ、重労働などによる持続的な物理的負荷、長時間の不自然な姿勢の維持などが契機となり、椎間関節の軟骨が摩耗して骨棘が形成されるなどして変形性関節症の状態に至る。1
このような関節の構造的変化や滑膜の炎症が、周囲の神経を刺激あるいは圧迫することで臨床的な症状が発現する。2
主な症状として、腰椎を後方にそらす動作(伸展)や、身体を横に倒す側屈、あるいは回旋させる際に局所的な疼痛が増悪する特徴がある。1
前屈時には症状が軽減することが多いが、神経根の圧迫を伴う場合には下肢への放散痛が生じることもあり、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの他の脊椎疾患との鑑別診断が重要となる。2
診断にあたっては、詳細な問診および身体診察に加え、画像検査としてX線検査(レントゲン)による骨棘の確認や変性の評価、さらにMRI検査やCT検査が用いられる。1
また、確定診断および治療を兼ねて、局所麻酔薬を椎間関節またはそれを支配する神経に注入するブロック注射が実施されることがある。2
急性期には安静を保ち、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの薬物療法や、筋弛緩薬の投与、物理療法が行われる。2
症状が慢性化した場合には、痛みの緩和を図りながら、腹筋や背筋などの胴体を支える筋肉の筋力強化や、脊椎の安定化を目的とした運動療法が導入される。1
保存的治療によっても十分な改善が見られない場合や、疼痛が高度で日常生活に著しい支障を来す場合には、高周波熱凝固法などの低侵襲治療や外科的治療が検討されることもある。2