HEALTH WORDS / 用語解説
楔状(くせじょう)
くせじょう
楔状とは、硬い材料や組織の断端あるいは全体が、一方が厚く他方が薄い鋭利な三角形(くさび型)の形態を示す状態を指す医学・解剖学的な形状表現である。1
医学や臨床の現場においては、骨組織の圧迫骨折や椎体の変形、あるいは歯学分野における歯頚部の実質欠損など、様々な病態や解剖学的構造を説明する際の重要な形態学用語として用いられている。2
整形外科領域においては、脊椎の椎体が重力や外力によって前方または側方から押しつぶされることで生じる圧迫骨折において、椎体がくさび状に変形する様子を「楔状変形」と表現することがある。3
このような骨折や変形が生じると、脊柱全体のアライメントが崩れ、疼痛や姿勢異常を引き起こす原因となるため、画像診断やX線検査における重要な所見として確認される。4
また、歯科学や保存修復学の分野においては、歯の根元付近である歯頚部に生じる楔状欠損(Cervical wedge-shaped defect)という病名および症状としても広く知られている。5=
歯頚部の楔状欠損は、長期間にわたる過度なブラッシング圧や、咬合ストレスによる歯組織の疲労などが原因となり、エナメル質とセメント質の境界付近が削り取られたように深くえぐれていく現象である。6
この欠損が進行すると、冷たい水や風がしみる知覚過敏の症状が現れたり、象牙質が露見することでう蝕のリスクが高まったりするため、レジンなどの歯科材料を用いた充填治療が行われることが多い。7
参考文献・出典
- 日本人体解剖学: https://www.nankodo.co.jp/g/g9784524220731/ ↩
- 南山堂 医学大辞典: https://www.nankodo.co.jp/g/g9784579135327/ ↩
- 標準整形外科学: https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/90098 ↩
- 今日の整形外科治療指針: https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/90351 ↩
- 歯科保存学専門用語集: https://www.jdsa.or.jp/ ↩
- 標準歯科学 歯科保存学: https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/90263 ↩
- 新・歯科衛生士教本 歯科保存学・歯科補綴学: https://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=433220 ↩