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HEALTH WORDS / 用語解説

歯の磨耗

Tooth wear

歯の磨耗とは、歯の硬組織が物理的または化学的な要因によって実質を失う現象の総称であり、主に咬耗、摩耗、酸蝕症の3つの病態に分類される。1

歯の磨耗のうち、生理的または病理的な歯と歯の接触によって引き起こされるものは咬耗(こうもう)と定義され、対合する歯同士の摩擦によって咬合面や切縁が徐々にすり減っていく現象である。2

一方、歯ブラシによる過度なブラッシングや不適切な口腔衛生用品の使用、あるいは習癖や異物の介在など、歯と歯以外の機械的な刺激や物質との接触によって歯質が削り取られる現象は摩耗(まもう)と区別される。3

また、物理的な摩擦を伴わず、飲食物や胃酸などに含まれる酸によって歯の硬組織が溶解して実質欠損を生じる病態は酸蝕症(さんしょくしょう)と呼ばれ、これも広義の歯の磨耗の一因として重要視されている。1

加齢に伴う生理的な歯の磨耗は、人類学的および法医学的な年齢推計の指標としても用いられるが、現代社会においては、食生活の変化やストレスに伴う歯ぎしり、酸性飲料の過剰摂取などによって、実質の喪失が著しい病理的な歯の磨耗が増加傾向にある。4

歯の磨耗が進行すると、象牙質が露出することによる知覚過敏を引き起こすほか、歯髄炎の併発、咬合高径の低下、さらには咀嚼機能の障害や審美障害を招くため、早期発見と原因除去、フッ化物の塗布や補綴治療などの適切な臨床的対応が必要とされる。5

参考文献・出典

  1. 厚生労働省e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-04-03.html ↩1 ↩2
  2. e-Stat 歯科疾患実態調査用語解説: https://www.e-stat.go.jp/ ↩
  3. 日本歯科医学会: https://www.jda.or.jp/jsd/ ↩
  4. 日本法医学会: https://www.jslm.jp/ ↩
  5. 日本保守医学会誌: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrd/25/2/25_105/_article/-char/ja/ ↩