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HEALTH WORDS / 用語解説

神経線維束

Nerve fascicle

神経線維束とは、末梢神経において複数または多数の神経線維(軸索およびそれを包むシュワン細胞など)が結合組織によって束ねられた構造単位である。1 末梢神経の実質を構成する基本的な単位であり、単一の神経線維よりも太く強靭な構造をとることで、機械的な張力や圧迫などの外力から神経組織を保護する役割を果たしている。2

神経線維束の内部構造は、神経生理学および組織学的に精緻な階層性を持っている。 個々の神経線維の周囲は、神経内膜(Endoneurium)と呼ばれる微細な結合組織によって覆われている。 そして、複数の神経線維が集合して神経線維束を形成する際、その外側は神経束膜(Perineurium)と呼ばれる特殊な上皮性の結合組織層によって包囲される。1 この神経束膜は、血液神経関門(Blood-nerve barrier)としての重要な機能を担っており、物質の透過を厳密に制限することによって神経内の内部環境を恒常的に維持し、有害物質や免疫細胞の侵入から軸索を防御している。2

さらに、肉眼的に観察されるような太い末梢神経においては、このような神経線維束がさらに複数集まり、神経外膜(Epineurium)と呼ばれる線維性の結合組織によって全体が包み込まれることで、一つの完全な末梢神経トランクを形成している。1 神経外膜の内部には血管(栄養血管、Vasa nervorum)やリンパ管が走行しており、神経線維束の代謝活動に必要な酸素や栄養素を供給している。2

このように、神経線維束は単なる線維の物理的な集合体ではなく、神経束膜や神経内膜といった結合組織の綿密な保護機構を伴うことで、全身の感覚器や骨格筋などの効果器との間で電気信号や神経伝達物質を介した円滑な情報の伝達を維持している。1 臨床医学や整形外科、脳神経外科の領域においては、末梢神経損傷に対する神経縫合術や神経移植などの外科手術を行う際、この神経線維束の配列や断端の同定が機能回復を左右する極めて重要な要素となる。3

参考文献・出典

  1. 解剖学用語: https://www.kaibou.jp/ ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
  2. 慶應医学: https://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00069606-20070331-0163 ↩1 ↩2 ↩3
  3. 慶應医学: https://koara.lib.keio.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00069606-20070331-0163 ↩