HEALTH WORDS / 用語解説
篩骨篩板
Cribriform plate of ethmoid bone
篩骨篩板とは、頭蓋底を構成する篩骨の水平板であり、多数の小さな孔(篩孔)が無数に開いている薄い骨板のことである。1 2
頭蓋骨の一部である篩骨は、鼻腔と頭蓋腔を隔てる境界に位置しており、その上方にあって水平に突き出している部分が篩板と呼ばれる領域である。2
この篩板の表面には多数の篩孔が存在しており、鼻粘膜にある嗅細胞から出た嗅神経の神経線維(嗅糸)がこれらの孔を通過して頭蓋腔内へと上行している。2
頭蓋腔側において、左右の嗅神経が集まる嗅球がこの篩板上面の脳底面に接するようにして乗っており、嗅覚受容に関わる極めて重要な解剖学的構造をなしている。2
構造的に篩骨篩板は非常に薄く脆弱であるため、前頭蓋窩の骨折などを伴う重大な頭部外傷の際には損傷を受けやすい部位の一つとして知られている。2
篩板が骨折して硬膜が破れると、鼻腔と頭蓋腔が直接交通することになり、脳脊髄液減少症や髄液鼻漏といった特有の臨床症状を引き起こす危険性がある。2
さらに、この交通路を通じて鼻腔内の細菌などが頭蓋腔内へと侵入しやすくなるため、髄膜炎などの重篤な感染症を続発するリスクが高まる点でも医学的に重要視されている。2
鼻科学や脳神経外科の領域において、副鼻腔手術や頭蓋底外科手術を行う際には、篩骨篩板の位置や構造的特徴を正確に把握することが偶発的な脳脊髄液漏を防ぐ上で極めて不可欠である。2