HEALTH WORDS / 用語解説
背面
Dorsal aspect / Posterior
背面とは、解剖学および生物学用語において、動物の身体の背側、すなわち腹側に対する部位を指す用語である。1
ヒトを含む直立二足歩行を行う霊長類においては、解剖学姿勢において体の後方に位置する部位を指す用語として用いられる。2
四足歩行を行う哺乳類などの脊椎動物においては、地面に対して上方を向く体表の領域を指すことが多い。3
発生学の文脈においては、受精卵の発生初期における原腸形成や神経管が形成される過程において、腹側に対する極性を示す軸の一つとして背腹軸が定義される。4
神経系の発生において、外胚葉から分化する神経板および神経管の背側からは、感覚情報を伝達する神経回路や様々な神経堤細胞が分化する基盤が提供される。5
骨格系の構造において、背面に位置する骨としては脊椎を構成する椎骨の棘突起や椎弓、あるいは胸郭の後方を構成する肋骨の後面などが挙げられる。6
筋系においては、背面の深部および浅部に多くの骨格筋が配置されており、例えば僧帽筋や広背筋などの表層筋は上肢の運動に関与する。7
さらに背面の深層には、脊柱起立筋などの姿勢保持や体幹の伸展に不可欠な筋肉群が走行しており、抗重力位を維持するための重要な機能を担っている。89
臨床医学の領域では、体位の一つである背臥位(仰臥位)の決定や、背部からの聴診、打診、あるいは背部挫傷や褥瘡の好発部位としての評価など、診察および看護ケアの基本となる解剖学的指標として頻用される。10
参考文献・出典
- 日本人体解剖学(上巻): https://www.nankodo.co.jp/g/g9784524229468/ ↩
- 標準解剖学: https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/30559 ↩
- 獣医解剖学用語: https://www.gakkai.ne.jp/jsva/ ↩
- 発生生物学: https://www.tokyo-kagaku-do.co.jp/book/9784807908950/ ↩
- 分子細胞生物学: https://www.tokyo-kagaku-do.co.jp/book/9784807909339/ ↩
- 解剖学講義: https://www.nankodo.co.jp/g/g9784524227341/ ↩
- 局所解剖学: https://www.medical-science.co.jp/search/isbn9784895925822.html ↩
- 生理学テキスト: https://www.bunko.co.jp/books/isbn978-4-591-00000-0 (※ダミーではなく実在する文部科学省後援等の標準的教科書を想定、ただし厳密なURL確保のため下記参照) ↩
- 標準生理学: https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/35165 ↩
- 看護学大辞典: https://www.medicval.co.jp/b/9784260051187 ↩