HEALTH WORDS / 用語解説
複合体Ⅳ
Complex IV
複合体Ⅳとは、ミトコンドリアの内膜に存在する電子伝達系の酵素複合体であり、シトクロムcオキシダーゼとも呼ばれる。12
複合体Ⅳは、ミトコンドリアにおける好気呼吸の最終段階を触媒する重要な酵素である。21
この複合体は、シトクロムcに由来する電子を受け取り、酸素分子を還元して水を生成する反応を担っている。21
電子の移動に伴い、プロトン(水素イオン)をミトコンドリアのマトリックスから膜間腔へと能動的に輸送するプロトンポンプとしての機能も有している。21
このプロトンの濃度勾配および電位勾配は、ATP合成酵素を介したATPの産生におけるプロトン動力勢の形成に寄与している。21
複合体Ⅳは、複数のサブユニットから構成される巨大なタンパク質複合体であり、その構造中にはヘムや銅イオンなどの金属補欠分子族が含まれている。21
これらの金属補欠分子族が電子を受け渡しすることで、酸素の還元反応が円滑に進行する仕組みとなっている。21
真核生物において、複合体Ⅳのサブユニットの一部はミトコンドリアDNA上にコードされており、残りは核DNAにコードされている。21
そのため、複合体Ⅳの生合成にはミトコンドリアと細胞核の双方の遺伝情報の協調的な発現が不可欠である。21
複合体Ⅳの機能障害は、ミトコンドリア病などの重篤な疾患の原因となることが知られており、エネルギー代謝異常や神経変性疾患との関連からも広く研究されている。21