HEALTH WORDS / 用語解説
頸肩腕症候群
頸肩腕症候群とは、頸部、肩甲帯部、および上肢にかけての領域に生じる、疼痛、コリ、しびれ、だるさなどを主訴とする症状群の総称である。1
特定の単一の疾患名ではなく、原因や病態が多様である非特異的な臨床的症状名として用いられる。1
発生の背景には、作業姿勢の不良、反復的な上肢の動作、過度な筋緊張、精神的ストレスなどが深く関与していると考えられている。2
特に、長時間のデスクワークやVDT作業において、同一姿勢を継続することによる筋肉の疲労や血流障害が発症の誘因となることが多い。2
臨床的には、首や肩の筋肉における持続的な筋緊張が認められ、これが血行不良を引き起こしてさらなる疼痛物質の産生を促すという悪循環を形成しやすい。1
症状が進行すると、上肢の運動機能低下や感覚障害を伴うことがあり、日常生活や職業性活動に大きな支障をきたす場合がある。2
診断においては、詳細な問診および身体診察を行い、頸椎椎間板ヘルニアや変形性頸椎症、胸郭出口症候群などの明確な器質的疾患や神経障害を引き起こす他の疾患を除外することが重要となる。2
治療および予防対策としては、保存療法が中心となる。
これには、消炎鎮痛剤などの薬物療法、物理療法(温熱療法や電気療法など)、運動療法(ストレッチングや筋力トレーニング)が含まれる。1
また、作業環境の人間工学的な改善(椅子や机の高さの調整、ディスプレイの位置変更など)や、適度な休息を挟むことが症状の改善および再発防止に有効である。2