ホーム飢餓浮腫

HEALTH WORDS / 用語解説

飢餓浮腫

Starvation edema

飢餓浮腫とは、長期にわたる極度の栄養失調、特にタンパク質の著しい欠乏によって引き起こされる浮腫である。1

人間の血液中にはアルブミンをはじめとする血漿タンパク質が存在し、血管内から水分が漏れ出さないように浸透圧を保つ役割を担っている。2

しかし、飢餓状態によりタンパク質の摂取が極端に不足すると、肝臓でのアルブミン合成が低下し、血液中のタンパク質濃度が著しく減少する。((日本小児科学会 予防医学・思春期医療委員会: https://www.jpeds.or.jp/modules/general/index.php?content_id=1}}

これにより血管内の膠質浸透圧が低下し、水分を血管内に保持できなくなるため、水分が血管外の組織間隙へと過剰に漏出するようになる。1

その結果、顔面や下肢、さらには腹腔内などに浮腫や腹水といった臨床症状が現れることとなる。2

歴史的にも、戦争や大飢饉などの極限的な食糧危機の場面において、多くの被災者に発生したことが知られている。1

飢餓浮腫は単なる栄養不良による体重減少にとどまらず、循環器系や代謝機能にも深刻な悪影響を及ぼすため、適切な栄養管理と食事療法による早期の改善が不可欠である。3

参考文献・出典

  1. 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-035.html ↩1 ↩2 ↩3
  2. 国立健康・栄養研究所 栄養・代謝研究部: https://www.nibiohn.go.jp/eiken/index.html ↩1 ↩2
  3. 日本小児科学会 予防医学・思春期医療委員会: https://www.jpeds.or.jp/modules/general/index.php?content_id=1 ↩