HEALTH WORDS / 用語解説
A群溶血性レンサ球菌
Group A Streptococcus
A群溶血性レンサ球菌とは、グラム陽性の球菌であり、レンサ球菌属に分類される細菌の一種である。1 ヒトの咽頭や皮膚などに感染し、多様な疾患を引き起こす病原体として知られている。2
A群溶血性レンサ球菌による感染症は、小児を中心に好発する咽頭炎(咽頭扁桃炎)が代表的であり、発熱、咽頭痛、イチゴ舌などを主症状とする猩紅熱を併発することがある。3 その他にも、伝染性膿痂疹(とびひ)や蜂巣炎といった皮膚感染症の原因ともなる。2
本菌による感染症の合併症として重要なものに、急性糸球体腎炎やリウマチ熱がある。1 これらは菌が直接組織を侵すのではなく、免疫学的機序を介して発症すると考えられている。3
また、極めてまれではあるが、菌が血液や筋肉などの深部組織に侵入し、劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)を引き起こすことがある。2 劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、ショック症状や多臓器不全を急速に引き起こし、致死率が高い重篤な病態であるため、早期の診断と治療が極めて重要となる。3
診断においては、咽頭ぬぐい液を用いた抗原検査キットにより、短時間で菌の有無を確認することが可能である。1 治療には主としてペニシリン系をはじめとする抗菌薬が用いられ、感受性を有する薬剤による適切な期間の薬物療法が基本となる。2
感染経路としては、患者の咳やくしゃみなどによる飛沫感染や、鼻汁などの分泌物を介した接触感染が主である。2 予防のためには、手洗いや手指消毒の励行、マスクの着用といった基本的な感染対策が推奨される。2
参考文献・出典
- NIID 国立感染症研究所: https://www.niid.go.jp/niid/ja/iasr/516-2011年/4126-kj4126.html ↩1 ↩2 ↩3
- 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/group-a-streptococcus/index.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6
- NIID 国立感染症研究所: https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennjouhou/696-asrt/7872-asrt-idwr.html ↩1 ↩2 ↩3