HEALTH WORDS / 用語解説
CD300a
CD300aとは、主として免疫細胞の表面に発現し、細胞の活性化や抑制を制御する受容体分子である。1 CMRF-35抗原ファミリーに属するI型膜蛋白質であり、ヒトにおいてはIgSFドメインを1つ持ち、細胞質内には抑制性のITIMモチーフを有している特徴がある。2
CD300aは、骨髄系細胞である単球、マクロファージ、好中球、樹状細胞のほか、肥満細胞や一部のリンパ球など、多様な免疫系の細胞に広く発現している。1 これらの細胞上において、CD300aはホスファチジルセリンやスフィンゴミエリンなどの脂質分子をリガンドとして結合することが知られている。2 細胞がアポトーシスを起こした際に露出するホスファチジルセリンをCD300aが認識することによって、免疫応答の過剰な亢進を抑えるシグナル伝達が引き起こされる。1
免疫学的な機能として、CD300aは抑制性受容体として働き、炎症性サイトカインの産生や細胞障害性などの過剰な免疫反応を負に制御する重要な役割を担っている。2 特に、アレルギー反応においては肥満細胞の活性化を抑制的に調節し、脱顆粒現象を抑えることでアレルギー症状の軽減に関与することが示唆されている。1 また、ウイルス感染症や自己免疫疾患、悪性腫瘍などの病態においても、CD300aを介した免疫細胞の機能制御メカニズムが関与していることが研究されており、新たな治療標的としての可能性が注目されている。2
参考文献・出典
- 独立行政法人科学技術振興機構: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201302263889146200 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
- 国立国会図書館サーチ(医学中央雑誌データ等): https://cir.nii.ac.jp/crid/1574231877402324736 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4