HEALTH WORDS / 用語解説
CYP2C
CYP2C
CYP2Cとは、主として肝臓に存在し薬物代謝において重要な役割を果たすシトクロムP450(CYP)のスーパーファミリーにおける主要なサブファミリーの一つである。1
ヒトのCYP2Cサブファミリーには、CYP2C9、CYP2C19、CYP2C8、CYP2C18の4つの遺伝子およびそれらがコードする分子種が含まれており、これらは第10染色体の長腕(10q24)上にクラスターを形成して存在している。2
このサブファミリーに属する酵素群は、臨床的に使用される多くの薬剤、例えば抗凝固薬のワルファリン、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、抗てんかん薬、プロトンポンプ阻害薬などの酸化代謝に深く関与している。1
CYP2Cの大きな特徴の一つとして、遺伝子多型が非常に豊富であることが挙げられ、これが個体間や人種間における薬物代謝能力の大きな個人差を生み出す主要な要因となっている。2
例えば、CYP2C19においては代謝酵素としての働きが弱い機能欠損型アレルを持つ遺伝子型が存在し、これによってプロトンポンプ阻害薬や抗血小板薬であるクロピドグレルなどの薬効や副作用の発現率に著しい影響を及ぼすことが知られている。2
また、CYP2C9もワルファリンやフェニトインといった治療薬物モニタリングが必要な狭い治療域を持つ医薬品のクリアランスを左右するため、ゲノム医療や個別化医療の領域において極めて重要な遺伝子マーカーとして扱われている。1
このように、CYP2Cに属する各分子種の酵素活性や遺伝子多型を解析することは、安全かつ効果的な薬物治療を設計する上で欠かせない臨床検査および薬理学的知見を提供している。2
参考文献・出典
- KEGG MEDICUS: https://www.kegg.jp/dbget-bin/www_bget?hsa:1559 ↩1 ↩2 ↩3
- NBDD: https://togodb.biosciencedbc.jp/ ↩1 ↩2 ↩3 ↩4