HEALTH WORDS / 用語解説
DNA合成
DNA synthesis
DNA合成とは、既存のDNA鎖を鋳型として新しいDNA鎖が生合成される化学反応および生物学的プロセスの総称である。12
生物の細胞内におけるDNA合成の最も代表的な形態はDNA複製であり、これは細胞分裂に先立ってゲノムの完全なコピーを作製するために厳密に制御されている。32
DNA複製の過程では、DNAヘリカーゼなどの酵素が二重螺旋構造をほどいて一本鎖とし、それを鋳型にしてDNAポリメラーゼがデオキシリボヌクレオチド三リン酸を基質として用いながら新たなDNA鎖を伸長させていく。32
このDNA合成は常に5'末端から3'末端の方向へ進行し、複製フォークの構造上の制約から、連続的に合成されるリード鎖と、岡崎フラグメントを介して不連続的に合成されるラギング鎖が形成されるという特徴を持つ。32
また、生体内でのDNA合成は、細胞周期の特定の時期であるS期において集中的に行われるほか、紫外線や化学物質などによってDNA損傷が生じた際のDNA修復や組換え修復のプロセスにおいても、部分的かつ局所的なDNA合成が不可欠なステップとして機能している。32
さらに、生体外(インビトロ)におけるDNA合成技術も急速に発展しており、その代表例であるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法や遺伝子組換え技術、人工合成遺伝子の構築など、現代の分子生物学や医学研究において極めて重要な基盤技術として広く応用されている。32