HEALTH WORDS / 用語解説
E-FABP
Epidermal Fatty Acid-Binding Protein
E-FABPとは、日本語で表皮型脂肪酸結合蛋白と呼ばれる分子量約15kDaのタンパク質であり、脂肪酸などの疎水性リガンドと可逆的に結合して細胞内輸送や代謝制御に関与するFABPファミリーの一員である1。
E-FABPは、主として表皮のケラチノサイトをはじめとする皮膚組織に多く発現しているほか、中枢神経系や免疫系の特定の細胞など、多様な組織においてもその存在が確認されている2。
細胞質内に存在するE-FABPは、長鎖脂肪酸やレチノイドなどの生理活性物質を高親和性に捕捉し、細胞膜から核内あるいは代謝酵素へと輸送するキャリアとしての重要な役割を担っている2。
皮膚においては、表皮の正常な分化や角化のプロセス、さらには皮膚のバリア機能の維持や炎症応答の調節においてE-FABPが深く関与していることが示唆されている2。
近年の生化学および医学研究において、E-FABPは乾癬やアトピー性皮膚炎といった皮膚疾患の病態形成や、神経変性疾患、さらには様々な腫瘍の増殖や転移のメカニズムとの関連性が注目されている3。
がん研究の領域では、E-FABPの発現変動が癌細胞の代謝リプログラミングや浸潤能に影響を与えることが報告されており、新規のバイオマーカーや治療標的としての可能性について解析が進められている3。
このように、E-FABPは単なる脂肪酸の運び屋にとどまらず、細胞の増殖、分化、炎症、シグナル伝達といった多彩な生体機能の制御基盤に関与する極めて重要な分子である1。