HEALTH WORDS / 用語解説
EGFRvⅢ
EGFRvIII(上皮成長因子受容体変異型III)とは、上皮成長因子受容体(EGFR)の遺伝子にエクソン2から7までの欠失が生じることで形成される、腫瘍特異的な変異型受容体である。12
正常な上皮成長因子受容体とは異なり、EGFRvIIIはリガンド(上皮成長因子やTGF-alphaなど)の結合を必要とせず、リガンド非依存的に恒常的なチロシンキナーゼの活性化を引き起こす特徴を持つ。12
この持続的なシグナル伝達は、細胞の増殖を促進し、アポトーシス(細胞死)を抑制することで、腫瘍の成長や生存を強力に推し進める働きをする。1
EGFRvIIIは、膠芽腫をはじめとする悪性脳腫瘍や、乳がん、肺がん、頭頸部がんなど、さまざまなヒトの悪性腫瘍において高頻度で検出されることが知られている。12
特に成人における最も一般的で悪性度の高い原発性脳腫瘍である膠芽腫において頻繁に認められ、腫瘍特異的な抗原として癌治療の重要な標的分子の一つとなっている。1
正常な組織にはほとんど発現せず、腫瘍細胞特異的に存在するという分子生物学的特徴を持つため、EGFRvIIIは分子標的薬、免疫療法、ペプチドワクチン、CAR-T細胞療法などの新規治療薬開発における理想的なバイオマーカーおよび標的として広く研究されている。12