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HEALTH WORDS / 用語解説

EGR1

Early Growth Response 1

EGR1とは、C2H2型ジンクフィンガー構造を持ち、刺激に応じて急速かつ一過性に転写が誘導される即時初期遺伝子、およびそれがコードする転写因子である。1

EGR1は、神経成長因子や血小板由来成長因子などの様々な細胞外シグナル、物理的ストレス、ホルモン、傷害などに応答して、細胞内で極めて迅速に発現が誘導されるタンパク質である。2

本タンパク質はアミノ酸配列の中央部に3つのC2H2型ジンクフィンガードメインを有しており、これが標的遺伝子のプロモーター領域に存在する特定のDNA塩基配列であるGC富化配列へ特異的に結合することを可能にしている。1

DNA上の特定の塩基配列を認識して結合したEGR1は、ヒストンアセチル化酵素やクロマチンリモデリング因子などの転写共役因子をリクルートすることにより、下流の多様な遺伝子の転写を活性化または抑制する転写調節因子として機能する。2

生体内においては、細胞増殖、細胞分化、アポトーシス、神経可塑性、炎症反応など、極めて多岐にわたる細胞応答の制御において中核的な役割を果たしていることが知られている。2

特に中枢神経系の脳領域、とりわけ海馬や大脳皮質においては、学習や記憶の形成に伴うシナプス可塑性の維持に深く関与していることが示されている。2

また、血管内皮細胞や平滑筋細胞における機械的刺激や酸化ストレスへの応答としても誘導されるため、動脈硬化などの心血管疾患の病態形成への関与も指摘されている。2

さらに、多くのがん種において、EGR1は細胞周期の制御や癌抑制遺伝子、あるいはがん促進遺伝子の転写制御を介して、腫瘍の発生、進展、および薬剤耐性の獲得に複雑に関与していることが報告されている。2

参考文献・出典

  1. プロテインデータバンク 日本支部: https://pdbj.org/mine/summary/1h9d ↩1 ↩2
  2. 国立国会図書館サーチ: https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I7554522-00 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6